「過去の経験」「未経験領域への挑戦」
新しいキャリアを築いていく

J.Y.さん

2016年入社 | 中途

IT / 経験者  車載システム開発エンジニア

就職氷河期を乗り越えて、
液晶業界の衰退も乗り越えて。

高校から物理が好きで、物理学トップの教授がいる大学へ。院進はあきらめておとなしく就職しようと思っていたのですが、ちょうど就職氷河期の強風が吹き荒れている時期で。こちらが会社を選ぶというような時代ではなかったですね。それでも分野だけはしっかりと選ばねばと思い「液晶分野」を選びました。その時はちょうどフラット液晶ディスプレイが出たばかりの頃で、「液晶に携わる大手企業とその関連会社」「地元」というキーワードで作戦を立てて挑み、何とか無事に企業に滑り込みました。まあ液晶が来るという読みは外れたんですけど(笑)。入社当初から、液晶モジュール組立事業を担当し、主に工程不具合品の原因解析から、工程改善の業務を担当していました。小規模の企業だったのですが、世間の液晶の需要がものすごく好調な時期で。さらにガラケーでも液晶の需要が拡大したので、もうとにかく拡大拡大で・・・中国での工場立ち上げを繰り返し、リーマンショックの影響も受けずに過ごしました。しかし液晶が下火になると仕事が激減。国内製造が縮小した後は海外での新規事業展開も縮小。後半はベトナムで基板実装事業というまったく異なる分野に未経験から取り組んだのち、日本へ帰国。しかし国内拠点には自分の経験を活かせるエンジニアリングポジションはなく、ISOの内部監査などを任されていたのですが、全然おもしろくなくて。このまま何もしないでいるのもなと思い、ものづくり現場で働ける環境を求めて、転職を決意しました。そんな時、エージェントから台湾での設備組み立ての求人があり、また海外で働くのも悪くないなと思い応募したのが、たまたま日研でした。

液晶モジュールの品質管理職から
車載システム開発職へ

併願先もありましたが自分には雰囲気が合わず、日研の案件から選ぶことにしました。最終的に決まったのは、自動車開発におけるアイドリングストップ機能を車両ごとに実装していくという、今までの経験とは全く共通点のない業務。でも実は前職でもベトナムで基板実装事業という、未経験のない分野に取り組んだ経験があって。その時に工程不具合品の原因解析業務のノウハウを使える場面が多く、自分で思っていた以上にしっかり対応できたんですよね。「量産開発の基本は同じ」と実感していたので、今回も挑戦しようと思えました。しかし今回は製造領域ですらなく、共通項はISOくらい。入ってから結構勉強しましたね(笑)。一番の難関はC言語。学生時代に知っていて助かりましたが、まさか自分がコードを読むことになるとは・・・だって配属前にC言語は読めますか?なんて聞かれもしませんでしたからね(笑)確かにコーディング自体はそんなにしませんが、不具合分析でコードの読解が必須なため、考え方の理解が不可欠でした。幸い勉強は嫌いではなく、次第に仕事の面白さに引き込まれていきました。中でも私が一番おもしろみを感じたのは、ドラビリ分野です。業務の中に、ブレーキ適合という業務があるのですが、一番振動が少なく、かつ一番違和感のないスムーズな発進を実現できた時、それまでの苦労が吹き飛ぶほどの達成感を感じました。

大企業のPJに参加する醍醐味と
整った就業環境で働ける安心感。

転職してよかったことは、なんといっても黒字化へのプレッシャーからの解放です。前職で工場長を経験したこともあり、日々の業務で金銭的に悩まなくていい環境で開発に当たれることにはとにかく感動しました。残業時間も前職に比べて格段に少なくなり、非常に働きやすくなりました。前職は管理職で毎月3桁時間残業でしたが、今は月ひと桁時間あるかどうかです。休日は趣味のドライブをしたり、家族とゆったりと過ごせています。あとは、配属先企業カレンダーにあわせて稼働しますので、年3回、しっかり長期連休も取れます。キャリアとしても、新車開発という未体験分野の開発環境に入った事で、エンジニアとして視野がかなり広くなったと思います。日本最大手自動車メーカーの新車開発のど真ん中で行われている業務の仕組みは、前職では体験できなかった事例ばかりで新鮮です。内容も法規対応や盗難防止など、幅広い分野の新しい課題が舞い込んできて、それぞれの最新の状況を把握しアップデートしていくため、日々成長も感じます。ただ私が携わっているのはガソリン車なんですよね。5年後はあるだろうけど10年後はどうだろうと考えます。そのため最近はハイブリッド車や電気自動車のほうの分野にも興味を持ち始めています。また量産分野に帰るのもいいかなとも思っています。日本の製造業はずっと激動で、今後を見定めてどの方向にキャリアを振っていくかは常に悩みますね。でも今の仕事は面白いですし、まだ10年もやっていない段階ですから、まだまだ極めたい思いもあります。

直近の課題は人材の育成。
配属先の責任者候補を育てています。

私のチームには、同じ日研から派遣されている後輩のほか、別の派遣会社から来たメンバーもいます。車種ごとに一人ひとり担当が分かれており、それぞれが責任を持って仕上げていくスタイル。基本的に作業は一人で進めるため、個の技量や判断力が問われます。メーカー側の意向で、派遣かプロパーかといった立場の違いは関係なく、「一人のエンジニア」として開発に責任を持つことが求められており、そこに大きなやりがいを感じています。今後の目標としては、現業務のさらなる効率化はもちろんですが、直近の課題は人材の育成です。というのも、現在の配属先の責任者が、あと半年ほどで異動になる予定なんです。そのため、プロパーの後輩エンジニアの中から新たな責任者を立てる必要が出てきています。私は他社から来ている派遣という立場ですが、このチームでの経験は一番長いので、後輩への引継ぎを少しずつ進めているところです。自分の経験を活かして、チームの長期的な安定に貢献したいと考えています。ちなみに、チームメンバーは基本的に個人主義的なタイプが多く、仕事以外での交流はあまり活発ではありません。飲みに行ったり、家族ぐるみで遊びに行ったりといった機会は少ないですね。少し寂しい気もしますが……今後入ってくる新しいメンバーには、そういった面も期待したいですね(笑)。

もし現状に問題を感じているなら、
少しでも早く動き出すべき。

もし現状の仕事に何らかの不満や不安を感じていて、転職を検討している方に私から伝えられることとしては、自分を信じて少しでも進んでくださいということです。行動すれば必ず変化します。今悪い状態なのにもし何も行動しなかったら、明日変わることなんて基本はないじゃないですか。その積み重ねで1年や2年ってあっという間に経ってしまうんです。もし今いるところにおかしいと感じているなら、早め早めに動いていく。とくに氷河期世代のエンジニアの方は、いま世界中に求められているタイミングだと思いますよ。とにかく門をたたく。できるだけ早く。そうしたほうが道は開けていくんだと思いますよ。そして選択肢はたくさん持っておいて、しっかりと比べる。自分の場合は日研の提示条件が良かったので不満はなかったんですが、待遇面は転職において大切なことですよね。とくにご家族がいる方は・・・私も子供を大学に行かせるタイミングだったので慎重に判断しました。あとは勤務地ですかね。家族と離れても大丈夫かどうかを真剣に考えないといけないと思います。自分は離れてもいいと思って配属先を探していましたが、今の配属先がたまたま地元で、親や家族と生活できているので、そこも日研を選んでよかったポイントではありました。私はほかの配属先を知らないですし、ほかの派遣会社に勤めたこともないので、自分がラッキーなだけかもしれないのですが、少しでも参考になればと思います。

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